2026-04-09 公開
ストレスチェック制度の準備で最初につまずきやすいのが、「誰が対象者なのか」という点です。パート、契約社員、派遣労働者が混在する企業では、社内説明が曖昧なままだと混乱が起きやすくなります。
対象者の考え方は、会社全体の感覚で決めるものではありません。厚生労働省が示す「常時使用する労働者」や事業場単位の考え方に沿って整理していきます。
First View Guide
対象の基本
常時使用する労働者が基本です。
確認が必要
パートや有期雇用は契約期間と所定労働時間で判断します。
派遣労働者
派遣元で実施する考え方が基本です。
人数判定
50人以上かどうかは会社全体ではなく事業場単位で見ます。
制度全体を整理したい方は、関連記事と一覧ページもあわせて読むと全体像をつかみやすくなります。
厚生労働省の制度説明では、ストレスチェックの実施義務の対象となるのは「常時使用する労働者」です。これは健康診断の対象判定と同じ考え方で、次の①②の両方を満たす労働者を指します。
そのため、雇用形態の名称だけで単純に線を引くのではなく、契約期間や所定労働時間などを踏まえて判断することになります。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| ① 契約期間 | 期間の定めのない契約、または契約期間が1年以上(契約更新で1年以上の使用が見込まれる場合・1年以上引き続き使用されている場合を含む) |
| ② 労働時間 | 1週間の労働時間が、同じ事業場で同種の業務に従事する通常の労働者の所定労働時間の4分の3以上 |
①と②の両方を満たす労働者が実施義務の対象です。なお②が4分の3未満でも、おおむね2分の1以上であれば実施が望ましいとされています。
出典: 厚生労働省「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」。
パートや契約社員であっても、一定の条件を満たせば対象になることがあります。逆に、有期契約が短い、所定労働時間が短いなどの場合は対象外となるケースもあります。
雇用形態の名称ではなく、前述の「契約期間」と「労働時間」で判断するのが基本です。誤解が生まれやすい部分なので、対象判断の基準は社内周知資料にも書いておくのが安全です。
| 雇用形態 | 対象の考え方 | 判定の目安 |
|---|---|---|
| 正社員 | 原則対象 | 契約期間・労働時間の要件を通常満たす |
| パート・アルバイト | 条件付きで対象 | 契約1年以上+週の所定労働時間が通常労働者の3/4以上で対象 |
| 契約社員(有期) | 条件付きで対象 | 契約更新を含め1年以上の使用見込みがあるかで判断 |
| 派遣労働者 | 原則は派遣元 | 雇用関係のある派遣元が実施するのが基本(後述) |
| 短期・短時間 | 対象外となる場合 | 契約1年未満、または労働時間が3/4未満は対象外になり得る |
雇用形態の名称ではなく「契約期間」と「労働時間」で判断するのが基本です。健康診断の対象判定と同じ考え方になります。
出典: 厚生労働省 ストレスチェック制度実施マニュアル/小規模事業場向けマニュアル。
派遣労働者については、個人へのストレスチェックは基本的に派遣元で実施する考え方です。派遣先で勤務しているからといって、派遣先が当然に対象者管理をするわけではありません。
ただし、職場単位の集団分析は派遣先での実施が望ましいとされ、周知や受検機会の確保でも派遣元・派遣先の連携が必要になる場合があります。
| 区分 | 実施する主体 | 補足 |
|---|---|---|
| 個人へのストレスチェック・面接指導 | 派遣元 | 雇用関係のある派遣元が実施義務を負う |
| 集団分析(職場単位) | 派遣先 | 派遣先が自社の労働者と合わせて実施するのが望ましい |
| 受検機会の確保・周知 | 派遣元・派遣先が連携 | 就業実態に合わせた調整が必要 |
個人へのストレスチェックは派遣元が主体ですが、職場単位の集団分析は派遣先での実施が望ましいとされ、両者の連携が前提になります。
名簿を整えて、雇用区分、契約期間、所定労働時間、所属事業場を確認しておけば、制度開始時の混乱はかなり減ります。
50人未満義務化の準備段階では、まず「誰が対象候補か」を洗い出すことが最初の一歩です。
名称だけでは判断できません。契約期間や所定労働時間など、常時使用する労働者に該当するかで判断します。
基本は派遣元での実施です。実務上の案内や調整は必要になる場合がありますが、制度上の主体は派遣元と考えるのが基本です。
いいえ。50人以上かどうかの判断は事業場単位です。本社・支店・工場などの単位で整理します。
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本記事は制度理解のための一般的な解説です。実務判断の際は、最新の 法令・通達・所轄労働基準監督署の案内をご確認ください。