わたしたちの姿勢
広告出稿や比較サイトへの有料掲載、アフィリエイトへの依存を最小限に抑え、 その分を価格、セキュリティ、サポート、そして継続的なプロダクト改善に 投資しています。
公開日 最終更新日
ストレスチェック制度で最も誤解が多いのが、個人結果の提供同意です。「制度を実施しているのだから会社は当然見られる」と考えてしまうと、制度の信頼性を損ないかねません。
厚生労働省の指針では、結果の提供同意は結果通知後に個別に取得する考え方が示されています。事業者が見られる範囲を押さえておきましょう。
First View Guide
個人結果
同意なし
本人へ通知し、事業者へ自動提供しない
同意あり
必要範囲で事業者へ提供する
判断時点
同意なし
結果を見た後に本人が判断する
同意あり
結果通知後に個別同意を行う
利用目的
同意なし
人事評価に使わない前提を守る
同意あり
就業上の配慮に限定して扱う
不利益取扱い
同意なし
同意しないことだけで不利益なし
同意あり
同意しても扱いは慎重に行う
制度全体を整理したい方は、関連記事と一覧ページもあわせて読むと全体像をつかみやすくなります。
ストレスチェックの個人結果は、まず本人に通知されるのが原則です。そのうえで、事業者へ結果を提供するには本人の同意を得なければなりません。
この設計の背景には、制度の目的が本人の気づきと未然防止にあること、そして健康情報の保護を欠かせないとする考え方があります。
厚生労働省の指針では、実施前や実施時に事業者への結果提供に関する同意を取得してはならず、結果通知後に個別に同意を取得すべきとされています。
つまり、「受けるなら結果提供もセット」という運用はルール上認められていません。
本人同意がない限り、個人結果を事業者が当然に閲覧できる前提にしてはいけません。人事担当者や上司がどこまで見られるのかも、権限設計として明確にしておいてください。
仮に結果提供があったとしても、その扱いは就業上の措置や必要な配慮に限定すべきであり、人事評価の材料にするのは制度趣旨に反します。
同意率を上げたい場合、誰がどこまで見るのか、何のために使うのか、同意しなくても不利益はないことを丁寧に説明してください。
強引に同意を求めるよりも、安心して判断できる説明を用意する方が、結果的に制度の信頼を高められます。
事務を簡略化したい担当者からよく出るのが、受検の案内時にまとめて同意を取っておけないかという相談です。これは認められません。ストレスチェック指針は、結果が本人に知らされていない時点で提供の同意を取得することは不適当であるとして、事業者はストレスチェックの実施前または実施時に労働者の同意を取得してはならないと明記しています。
理由は、同意の対象が具体的でないためです。本人が自分の結果を知らない段階では、何を事業者に提供することになるのかを判断できません。制度が求めているのは、結果を知ったうえで、その内容を事業者に伝えてよいかを本人が判断することです。
指針は、同意を取得する方法も次の2つに限定しています。ひとつは、結果を通知した後に、全員に対して個別に同意の有無を確認する方法。もうひとつは、結果を通知した後に、高ストレス者として選定され面接指導が必要と実施者が認めた労働者に対して、面接指導の対象であることが他の労働者に分からない方法で個別に確認する方法です。あわせて、同意を強要する行為や強要しているとみなされる行為を行ってはならないとされています。
なお、同意の取得は書面または電磁的記録によらなければなりません(労働安全衛生規則第52条の13)。口頭で確認しただけでは要件を満たさないため、オンラインで実施している場合は結果画面から同意の可否を選べる形にしておくと、記録を残しながら事務負担も抑えられます。
本人が同意すれば何をしてもよくなるわけではありません。同意の効果は、結果を事業者が知ることができるようになるという点にとどまります。取得した結果の使い道には、引き続き制限がかかります。
具体的には、同意を得て取得した結果を人事評価や配置の判断材料に使うことは、不利益取扱いの禁止に触れます。使ってよいのは、面接指導の要否判断や就業上の措置の検討といった、健康確保のための用途です。また、同意を得た範囲を超えて社内で共有することもできません。誰まで共有するのかを同意を求める時点で示しておく必要があります。
保管についても同様です。同意を得て取得した個人結果は要配慮個人情報にあたるため、一般の人事ファイルとは分けて保管し、アクセスできる担当者を限定してください。
いいえ。本人の同意なく当然に個人結果を提供する前提にはしない方が適切です。
厚生労働省の指針では、実施前または実施時の一括同意ではなく、結果通知後に個別に同意を取得する考え方が示されています。
できません。結果提供に同意しないことを理由に不利益取扱いを行ってはならないとされています。
結果を知らない段階では、本人は何を事業者に提供することになるのかを判断できないためです。制度は、結果を知ったうえで提供の可否を判断することを求めています。結果通知の文面や画面に同意の導線を組み込むと、事務負担を増やさずに順序を守れます。
使えません。同意の効果は事業者が結果を知れるようになることにとどまり、用途は面接指導の要否判断や就業上の措置の検討など健康確保のためのものに限られます。人事評価や配置の判断材料にすると不利益取扱いの禁止に触れます。
Zeneのストレスチェックサービスは、法令準拠の実施から集団分析、 職場環境改善提案まで一気通貫で支援しています。
ストレスチェック結果は人事や上司が見られる?管理職の扱いを整理
ストレスチェックの個人結果を人事担当者や上司が見ることはできません。本人同意がなければ事業者に提供されない仕組み、管理職が実施事務従事者になれない理由、集団分析なら見られる範囲、結果を知ってしまった場合の対応を整理します。
ストレスチェックで不利益取扱いは禁止?人事評価との線引きを整理
ストレスチェックで禁止される不利益取扱いの範囲を、受検しないこと、結果提供に同意しないこと、面接指導を申し出たことという3つの起点から整理。解雇・配置転換・人事評価との線引きと、健康確保のための就業上の措置との違いも解説します。
ストレスチェックに受検義務はある?受けない場合の考え方を整理
ストレスチェックには労働者の受検義務がありません。受診義務がある健康診断との違い、受検しなかった場合の扱い、不利益取扱いが禁止される範囲、未受検者への声かけがどこから圧力になるのか、無理なく受検率を上げる工夫まで整理します。
ストレスチェック結果の保存期間は5年?保存義務と同意・廃棄ルールを解説
ストレスチェックの個人結果や面接指導結果の保存期間(5年)を、根拠条文とあわせて整理。本人同意の有無で誰が保存するかが変わる点、集団分析の扱い、廃棄・アクセス管理の注意点まで解説します。
ストレスチェック結果の見方は?素点・換算表・レーダーチャートを解説
ストレスチェックの個人結果は何を見ればよいのかを、A・B・C の3領域、素点と素点換算表の違い、レーダーチャートの読み方、高ストレス判定に使う2つの方法(B領域77点以上/A+C領域76点以上かつB領域63点以上)まで、厚労省の評価基準例に沿って具体的に解説します。
本記事は制度理解のための一般的な解説です。実務判断の際は、最新の 法令・通達・所轄労働基準監督署の案内をご確認ください。