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派遣労働者が多い企業では、ストレスチェック制度の実施主体が誰なのかで混乱が起きやすくなります。派遣先で働いているからといって、派遣先が当然に個人向けストレスチェックを行うわけではありません。
制度理解のズレは、案内漏れや個人情報の誤取扱いに直結します。走り出す前に、派遣元と派遣先の役割を整理しておくのが鉄則です。
First View Guide
個人向け実施
派遣元
ストレスチェックを実施する主体
派遣先
個人向け実施義務は基本的にない
周知
派遣元
受検案内の主体になる
派遣先
受検しやすい環境を調整する
個人結果
派遣元
健康情報の扱いを管理する
派遣先
当然に受け取る前提にしない
集団分析
派遣元
実施結果と連携する
派遣先
派遣労働者を含めた分析が望ましい
制度全体を整理したい方は、関連記事と一覧ページもあわせて読むと全体像をつかみやすくなります。
厚生労働省の案内では、派遣労働者に対するストレスチェックの実施義務は派遣元にあります。派遣先で勤務していても、個人向けの制度実施主体は派遣元です。
この点を曖昧にしたまま進めると、どちらも案内しない、あるいは二重に案内してしまうといった混乱が起きかねません。
派遣先には個人向けの実施義務はありませんが、職場の集団ごとの集計・分析では、派遣労働者を含めて実施することが望ましいと案内されています。
加えて、実務面では受検しやすい時間や場所の調整、制度説明の連携といった協力も欠かせません。
よくあるのが、「派遣先だから結果を当然に受け取れる」という思い込みです。個人結果や健康情報の扱いは、派遣労働者であっても慎重に設計してください。
派遣元・派遣先のどちらが何を案内するか、集団分析にどう反映するか、個人情報のやり取りをどう制限するか。この3点を先に決めておくだけで、制度開始後の混乱はかなり減ります。
派遣労働者の扱いで最も判断に迷うのが、50人以上かどうかを数えるときに誰を数えるのかです。ストレスチェックの実施義務は事業場の規模で決まるため、この数え方によって義務の有無が変わります。
厚生労働省は、派遣労働者については派遣元と雇用契約を結んでいる派遣労働者が50人以上いるかという点で判断すると説明しています。たとえば派遣元に200人の派遣労働者が在籍していれば、その200人を何人ずつどこへ派遣していようと、派遣元にストレスチェックの実施義務が生じます。派遣先ごとに分割して数えるわけではない、という点が実務上の要点です。
一方、派遣先の事業場には、受け入れている派遣労働者に対するストレスチェックの実施義務はありません。ただし派遣先も、安全衛生管理体制を整えるうえで人数を数える場面では派遣労働者を含めて数えるのが基本であり、実施義務の主体と体制整備の人数カウントは別の話になります。判断に迷う場合は、受け入れ人数や就業実態を整理したうえで所轄の労働基準監督署に確認するのが確実です。
実施義務は派遣元にありますが、厚生労働省は派遣先についても、派遣労働者に対してストレスチェックを実施するとともに、職場の集団ごとの集計・分析を実施することが望まれるとしています。義務ではないが推奨される、という位置づけです。集団分析を職場単位で意味のあるものにするには、同じ職場で働く人をまとめて分析できるほうが実態に合うためです。
ただし任意実施では、いくつか先に決めておくべきことがあります。派遣元が実施する法定のストレスチェックと二重に受検を求める形になるため、目的の違いを本人に説明する必要があります。また、任意実施の結果についても、個人結果を派遣先の事業者が本人同意なく取得しないという原則は変わりません。
実務上は、派遣元・派遣先・本人の三者で、何のために実施し、結果を誰がどこまで扱うのかを書面で共有しておくのが安全です。この整理をせずに始めると、派遣元の実施結果と混同され、個人情報の取扱いで問題になりやすくなります。
基本的な実施義務は派遣元にあります。
個人向け実施義務はなくても、実務上の案内や受検機会の確保、集団分析との関係で連携が求められます。
厚生労働省は、派遣先事業者が派遣労働者も含めて集団分析を実施することが望ましいと案内しています。
ストレスチェックの実施義務は派遣元が負いますが、派遣先の事業場が安全衛生管理体制を整えるうえで人数を数える場面では、就業している派遣労働者も含めて数えるのが基本です。人数が50人前後で推移する事業場では、毎年の判定手順を決めておき、迷う場合は所轄の労働基準監督署に確認してください。
職場環境改善を目的に、受け入れている派遣労働者も含めて任意で実施することは可能です。ただし派遣元の法定実施と二重になるため目的の違いを本人に説明し、個人結果を本人同意なく取得しない原則は任意実施でも守る必要があります。
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本記事は制度理解のための一般的な解説です。実務判断の際は、最新の 法令・通達・所轄労働基準監督署の案内をご確認ください。