2026-04-29 公開
ストレスチェックを導入するにあたって、まず気になるのが費用です。外部委託、SaaS、自社実施のどれを選ぶかで、一人あたりの年間コストは無料〜3,000円超まで大きく変わります。さらに、表示価格には含まれない「隠れコスト」も少なくありません。
本記事では、3つの実施方式ごとの費用相場と、見落としやすい付帯費用、人数規模別の選び方の考え方を整理します。料金だけでなく、機能制限、運用負荷、将来の拡張性まで含めた総合判断の材料として活用してください。
First View Guide
100人規模の年額
外部委託
5万〜9万円
SaaS
0〜10万円
初期費用
外部委託
2〜10万円
SaaS
0円が主流
集団分析
外部委託
別途オプション(数万円〜)
SaaS
標準搭載が主流
面接指導手配
外部委託
対応(産業医紹介あり)
SaaS
システム支援のみ
労基署報告書
外部委託
代行する場合あり
SaaS
XML自動生成が主流
導入リードタイム
外部委託
打合せ要(数週間)
SaaS
即日〜数日
制度全体を整理したい方は、関連記事と一覧ページもあわせて読むと全体像をつかみやすくなります。
健診機関や産業保健サービス会社に委託する場合の費用相場は、一人あたり年500円〜2,000円程度が中心です。100名規模なら年5万〜9万円、500名規模なら20万〜25万円、3,000名規模になると100万〜300万円のレンジになることもあります。価格幅が大きいのは、集団分析や面接指導の手配・実施までを含むかで料金体系が変わるためです。
見落としやすい付帯費用として、初期費用(2〜10万円)、紙の調査票配送費、再受検対応費、英語版調査票の追加料金、結果報告書の追加印刷費などがあります。契約前に「料金に含まれる範囲」を見積書で必ず確認してください。
SaaS型ストレスチェックは年額固定の料金体系が主流です。一人あたり単価でみると、100名規模で年100円前後、500名規模で年100円前後、3,000名規模で年30〜100円とスケールメリットが効きやすいのが特徴です。
50人以下の事業場を無料にしているサービスもあり、2025年改正で義務化される50人未満事業場の負担軽減策として有力な選択肢です。当サービス(Zene)はFreeプランで50人以下永久無料、Standard(51〜200人)で年9,800円(税込)、機能制限なしで提供しています。
SaaS選定で注意すべきは、表示価格の安さだけでなく、集団分析・経年比較・SmartHR連携・労基署報告書XML出力・多言語対応などの機能がプランで制限されないかです。安いプランでは集団分析が使えない、英語版が別料金、というケースもあります。
厚生労働省の「ストレスチェック実施プログラム」はソフトウェア自体は無料ですが、運用には実質的なコストがかかります。Windows端末へのインストール、職員データのCSV登録、受検者への案内、結果の暗号化保存、面接指導の手配、報告書作成まですべて自社の人件費で行う必要があるためです。
100名規模でも、実施担当者が30〜50時間程度の工数を負担するケースが珍しくなく、時給換算で10万〜25万円相当のコストが発生します。さらに、サーバー保管環境の整備、Excelによる集団分析の手作業、紙運用が混在する場合の郵送費なども加算されます。
「無料だから自社実施」を選ぶ場合は、誰がどれだけ工数を負担できるか、退職時の引継ぎはどうするかを先に決めておかないと、属人化と運用事故のリスクが高まります。
50人以下:無料SaaS(Freeプラン)が最有力。義務化に備えた早めの導入で慣れておくのが安全です。
51〜200人:SaaSの基本プラン(年1万円前後)が圧倒的に安い。外部委託より9割以上コストカットできます。
201〜1,000人:SaaSの中間プラン(年5万円前後)が中心。外部委託は人件費でコストパフォーマンスが落ちます。集団分析・面接指導手配の質で選ぶフェーズです。
1,001〜5,000人:SaaSの上位プラン(年10万円前後)。複数事業場・部署別運用、経年比較、ベンチマーク比較が標準で使えるかを確認してください。
5,001人以上:個別見積。複数法人合算プランや専用環境のニーズが出てくるため、SaaSとの個別協議が現実解です。
年額や一人あたり単価の比較に加えて、以下の観点を見ると総合判断がしやすくなります。
50人以下の事業場なら、無料SaaS(FreeプランのストレスチェックSaaS)が最も安く、機能制限もないケースが多いです。51人以上なら年額固定のSaaSが、外部委託・自社実施に比べて圧倒的に低コストになります。
ソフトウェア自体は無料ですが、運用工数(実施担当者の人件費)、Windows端末の準備、結果保管環境の整備、面接指導手配などのコストは別途発生します。100名規模でも実質10万〜25万円相当の人件費がかかるため、「無料」と表現するのは正確ではありません。
社内に実施者(産業医・保健師等)が確保できているならSaaSが圧倒的に有利です。実施者の確保が難しい、面接指導の医師手配まで委託したい場合は、外部委託を選ぶ理由があります。SaaS+外部の産業医紹介サービスを併用するハイブリッドも一般的です。
機能制限の有無、オプション課金の有無、SmartHR等のHRシステム連携、労基署報告書のXML出力、セキュリティ(暗号化・テナント分離・監査ログ)が重要です。安い料金プランで集団分析や英語版が別料金になっているケースは注意が必要です。
SaaS型は初期費用0円が主流です。外部委託でも交渉次第で初期費用無料にできるケースがあります。複数年契約より単年契約のほうが解約しやすく、結果的にトータルコストを抑えやすいです。
Zeneのストレスチェックサービスは、法令準拠の実施から集団分析、 職場環境改善提案まで一気通貫で支援しています。
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本記事は制度理解のための一般的な解説です。実務判断の際は、最新の 法令・通達・所轄労働基準監督署の案内をご確認ください。