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ストレスチェック制度の相談で必ず聞かれるのが「実施しないと罰則はあるのか」という質問です。結論から言うと、ストレスチェックの「実施そのもの」に対する直接の罰則はありません。一方で、労働基準監督署への報告書(様式第6号の3)の未提出には50万円以下の罰金が定められており、ここが見落とされがちなポイントです。
さらに、罰則がないからといって未実施が安全というわけでもありません。労働基準監督署からの行政指導、安全配慮義務違反による民事責任、メンタル不調による休職・離職コストなど、未実施が招くリスクは法令罰則だけにとどまりません。本記事では、根拠条文と実務上のリスクを整理します。
First View Guide
報告書未提出の罰金
労働安全衛生法第120条により、50万円以下の罰金(事業者単位)。
行政指導・是正勧告
労働基準監督署の臨検監督で指摘を受けるケースが実務上は最多。
安全配慮義務違反
メンタル不調による休職・労災で民事責任を問われるリスク。
人材コスト
離職・休職・採用コストは罰金よりはるかに高く、経営インパクトが大きい。
制度全体を整理したい方は、関連記事と一覧ページもあわせて読むと全体像をつかみやすくなります。
ストレスチェックを「実施しなかった」こと自体に直接の罰則を定めた条文は労働安全衛生法にはありません。一方で、常時50人以上の労働者を使用する事業場が、ストレスチェックの結果等を労働基準監督署長へ報告する義務を怠った場合は、労働安全衛生法第100条第1項違反として、第120条第5号により50万円以下の罰金が科されます。
つまり「実施しなかった」が問われるのではなく、「報告書(様式第6号の3)を提出しなかった」が問われる構造になっているのが実務上のポイントです。報告書には在籍労働者数、受検者数、面接指導実施者数、ストレスの程度などを記載するため、実施していなければ報告のしようがなく、結果として未実施が露呈します。
| 項目 | 根拠条文 | 罰則 |
|---|---|---|
| ストレスチェックの実施 | 労働安全衛生法 第66条の10 | 直接の罰則規定なし |
| 労基署への報告書提出 | 第100条第1項(報告義務) | 怠ると下記の罰則の対象 |
| 報告義務違反 | 第120条第5号 | 50万円以下の罰金(事業者単位) |
| 安全配慮義務 | 労働契約法 第5条 | (行政罰ではなく)民事上の損害賠償責任 |
罰則は「実施しなかったこと」ではなく「報告書を出さなかったこと」にかかる構造です。報告書には受検者数等を書くため、未実施だと報告のしようがなく、結果的に未実施が露呈します。
出典: e-Gov 労働安全衛生法 第100条・第120条/労働契約法第5条。
実務上、いきなり罰金が科されるケースは稀です。労働基準監督署の臨検監督(定期監督・申告監督)でストレスチェックの実施状況が確認され、未実施が判明した場合は「是正勧告書」が交付されます。これは行政指導であり、罰則ではありませんが、是正報告書の提出を求められ、改善されなければ送検(書類送検)に進むこともあります。
送検された場合、企業名と違反内容が公表されることがあり、レピュテーション上のダメージは罰金額をはるかに超えます。特に求人広告や上場準備、官公庁入札では、労働関係法令違反の有無が厳しくチェックされます。
労働契約法第5条は、使用者に対して労働者の生命・身体等の安全への配慮義務(安全配慮義務)を課しています。メンタルヘルス不調による休職・自殺・労災事故が発生した場合、ストレスチェックを実施していなかったことが「安全配慮義務違反」の評価材料になり、民事訴訟で多額の損害賠償が認められるケースがあります。
実際、メンタル不調による労災請求件数は年々増加傾向にあり、認定された場合の損害賠償額は数千万円規模にのぼることも珍しくありません。「罰則がないから未実施でも安全」という判断は、民事責任の観点からは極めてリスクが高いと言えます。
2025年5月公布の改正労働安全衛生法により、これまで努力義務だった常時50人未満の事業場にもストレスチェックの実施が義務化されることが決定しました。施行日は2028年4月1日とする案が2026年5月の労働政策審議会・安全衛生分科会で示されており、正式な施行日は今後の政令で定められます。
施行直前になってから準備を始めると、実施者の選任、衛生委員会の準備、外部委託先の選定、社内規程の整備など複数の作業が同時進行となり、現場の負担が一気に膨らみます。Freeプランで永久無料のSaaSを早めに導入しておけば、施行日にあわてずに済みます。
実務でしばしば見られるのが、「実施はしたが報告書(様式第6号の3)を提出していない」というパターンです。これは50万円以下の罰金の対象になり得ます。提出は電子申請(e-Gov)が原則で、経過措置により当分の間は書面の持参・郵送も可能です。提出時期は「1年以内ごとに1回、定期に」と定められているだけで、○月末という一律の法定期限はなく、事業年度の終了後など事業場ごとに設定して差し支えないとされています。
当サービスでは様式第6号の3のXMLファイルを自動生成し、厚生労働省「帳票入力支援サービス」にそのまま読み込ませて電子申請できる機能を標準搭載しています。報告書の出し忘れを防ぐ運用設計まで含めて検討してください。
報告書未提出による罰金事例は限定的ですが、書類送検の事例は公表されています。一方で、メンタル不調による労災・民事訴訟で「ストレスチェック未実施」が安全配慮義務違反の判断材料になった事例はより多く、企業名公表のリスクは罰金より高くつくケースが珍しくありません。
実施年度ごとに、結果が出た後速やかに労働基準監督署長へ提出します。実務的には事業年度終了後、翌年の3月末までに提出するケースが多くなっています。
いいえ。報告義務は事業者にあります。外部委託しても、未提出時の罰金は事業者が負います。委託先がどこまで報告書作成を支援してくれるかを契約前に確認してください。
現時点では努力義務で罰則はありませんが、2025年改正で義務化が決定しています。施行日は2028年4月1日とする案が2026年5月の労働政策審議会・安全衛生分科会で示されており、正式な施行日は今後の政令で定められます。施行後は50人以上事業場と同じく報告義務違反で罰金対象となるため、早めの準備をおすすめします。
受検率の最低基準は法令で定められていません。ただし「実施したかどうか」が問われるため、対象者全員に受検案内を行い、未受検者にリマインドを送る運用フローは整えておくべきです。
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ストレスチェック報告書とは?提出が必要な事業場と注意点を解説
ストレスチェック結果等報告書(様式第6号の3)を誰が、いつ、どこへ提出するのかを解説。常時50人以上の事業場に提出義務がある根拠、未提出時に罰金の対象となる理由、50人未満の事業場の扱い、外部委託している場合の分担まで整理します。
ストレスチェックに受検義務はある?受けない場合の考え方を整理
ストレスチェックには労働者の受検義務がありません。受診義務がある健康診断との違い、受検しなかった場合の扱い、不利益取扱いが禁止される範囲、未受検者への声かけがどこから圧力になるのか、無理なく受検率を上げる工夫まで整理します。
ストレスチェックで不利益取扱いは禁止?人事評価との線引きを整理
ストレスチェックで禁止される不利益取扱いの範囲を、受検しないこと、結果提供に同意しないこと、面接指導を申し出たことという3つの起点から整理。解雇・配置転換・人事評価との線引きと、健康確保のための就業上の措置との違いも解説します。
ストレスチェックは50人未満でも義務化?いつから何をすべきかを解説
常時50人未満の事業場にもストレスチェックが義務化されます。2025年5月の法改正で決まった内容と施行日をめぐる現状、対象人数の数え方、実施者の確保、57項目調査票の選び方、高ストレス者対応まで、いま準備できることを整理します。
ストレスチェックはいつから義務?制度開始から改正動向まで整理
ストレスチェックはいつから義務なのかを、2015年12月1日の制度開始、常時50人以上の事業場への義務づけ、2025年5月公布の改正労働安全衛生法による50人未満への拡大まで時系列で整理。施行日をめぐる現在の状況も解説します。
ストレスチェックは毎年1回?実施頻度と時期の決め方をわかりやすく整理
ストレスチェックは1年以内ごとに1回の実施が義務です。毎年1回という表現の正確な意味、実施時期の決め方、健康診断と同時期に行う場合の注意点、繁忙期を避ける考え方、前年から時期をずらすときの限度まで整理します。
本記事は制度理解のための一般的な解説です。実務判断の際は、最新の 法令・通達・所轄労働基準監督署の案内をご確認ください。