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ストレスチェックをWebで実施しようとすると、最初につまずきやすいのが「全員にメールアドレスがあるわけではない」という問題です。現場作業が中心の事業場、シフト勤務のパート・アルバイトが多い事業場、共用PCが1台だけの事業場では、会社が個人にメールアドレスを配っていないほうがむしろ一般的です。
結論から言えば、メールアドレスがなくてもストレスチェックは実施できます。制度上、調査票をメールで配らなければならないという決まりはありません。この記事では、メールを持たない従業員にどう受検してもらうかを、担当者の手間と個人情報の扱いの両面から整理します。
First View Guide
会社のメールアドレスを付与する
全員に配る前提が整えられるなら最も素直ですが、整備と管理の手間が先に発生します。
紙・Excelで実施する
受検側の負担は最小ですが、回収・入力・保管の負担が担当者に集中します。
メール不要のログイン手段を使う
受検コードなど、紙を手渡すだけでWeb受検に入れる仕組みです。集計を自動化したまま配布だけ紙で行えます。
制度全体を整理したい方は、関連記事と一覧ページもあわせて読むと全体像をつかみやすくなります。
ストレスチェック制度は、調査票をどの手段で配布するかを限定していません。厚生労働省版ストレスチェック実施プログラムの実施手順でも、紙の調査票、Excel版調査票、マークシート調査票が案内されており、Web受検を前提にしていません。
制度上求められているのは、対象となる労働者全員に受検の機会を提供すること、そして結果が本人の同意なく事業者に渡らないようにすることです。案内の手段そのものは、事業場の実情に合わせて選んで構いません。
したがって「全員分のメールアドレスを用意しないと始められない」という制約は、制度から来るものではなく、選んだツールから来るものです。ツールの制約であれば、ツール側の選び方で解決できます。
メールアドレスを持たない従業員は、特定の業種に偏って生まれます。実際に問い合わせが多いのは次のような事業場です。
共通しているのは、業務上メールを使う場面がないため、会社としてアドレスを配る理由がなかったという点です。ストレスチェックのためだけに全員分のアカウントを作るのは、費用も管理負荷も見合わないことが少なくありません。
実務上とれる方法は3つです。受検のしやすさだけで選ぶと、回収・入力・保管の負担が後から担当者に集中しがちなので、運用全体で比較してください。
特に見落とされやすいのが結果通知です。紙で実施した場合、個人結果も紙で本人に返すことになり、封入と手渡しの手間が人数分そのまま発生します。50人規模でも、実施より結果通知のほうが重くなることがあります。
| 方法 | 本人のメール | 担当者の手間 | 向いている事業場 |
|---|---|---|---|
| 会社のメールアドレスを付与する | 必要 | アカウント整備と管理が先に発生する | 今後も業務連絡にメールを使う予定があり、情報システム担当がいる事業場 |
| 紙・Excelで実施する | 不要 | 配布・回収・入力・結果通知・保管をすべて担当者が担う | 人数が少なく、まず1回実施してみたい事業場 |
| 受検コードでWeb受検する | 不要 | 配布用紙を印刷して手渡すだけ。集計と結果通知は自動 | Web集計は使いたいが、全員にメールアドレスがない事業場 |
受検コードのような仕組みは、配布だけを紙にして、集計・判定・集団分析はWebのまま維持できる点が違いです。
出典: 厚生労働省版ストレスチェック実施プログラム 実施手順。
手っ取り早い解決策として、従業員の個人のメールアドレスを提出してもらう方法が思い浮かびます。しかし、これは慎重に判断してください。
ストレスチェックの受検は労働者本人の任意です。私用のアドレスを出さなければ受検できないという状態は、事実上、私用連絡先の提出を受検の条件にすることになります。提出したくない人が受検しづらくなれば、制度の趣旨から離れていきます。
また、業務目的で私用の連絡先を収集・利用することは、個人情報の取扱いとして利用目的の特定と本人の同意が必要になります。ストレスチェックの案内メールは、届く先が私用の受信箱であることそのものが本人にとって望ましくない場合もあります。会社が把握していない連絡先を新たに集めるより、メールを使わない受検手段を用意するほうが、制度上も個人情報の面でも無理がありません。
当サービス(Zene)では、メールアドレスをお持ちでない方のために「受検コード」を用意しています。実施回ごとにコードを発行し、印刷した用紙(またはQRコード)を本人に手渡すと、メールアドレスとパスワードなしでその実施回の受検画面に入れます。
配布だけが紙になり、回答の集計、高ストレス者の判定、集団分析、労働基準監督署への報告書作成はWebのまま自動で行われます。紙で実施した場合に発生する入力作業は不要です。
Diagram
受検コードでの受検の流れ
実施回の画面で対象者を選び、受検コードを発行する
発行直後に開く印刷画面で配布用紙を印刷する
実施事務従事者が1名分ずつ切り離して本人に手渡す
本人がコードを入力するかQRを読み取り、回答する

受検コードは「その人としてログインできる文字列」です。紙で配る以上、拾われる・置き忘れるといったことは起こり得ます。当サービスでは、そのときの被害を小さくするための制御を仕組みとして入れています。
運用面で最も重要なのは、配布を誰が行うかです。厚生労働省「ストレスチェック制度 実施マニュアル」では、受検者に対して直接の人事権を持つ者は実施事務従事者になれないとされています。コードの配布は調査票の配布と同じ実施事務にあたるため、人事権を持つ管理者ではなく、実施事務従事者が行ってください。当サービスでは受検コードの発行・失効の権限を実施回の管理権限とは別に付け外しできるようにしています。


個人の端末がない事業場では、事務所や休憩室にタブレットを1台置き、順番に受検してもらう運用が現実的です。この方式で最も危ないのは、前の受検者の回答や結果が次の人の画面に残ることです。ストレスチェックの結果は要配慮個人情報にあたるため、ここは画面の作りではなくサーバー側で塞がれている必要があります。
当サービスでは、共有タブレット専用として発行したコードは、回答の送信後30秒・無操作5分で自動的にログアウトします。加えて、共有端末のログインでは結果を一切表示しません。画面から導線を消すだけでは、URLを直接開けば見えてしまうためです。共有端末で受検した方の結果は、実施者から本人にお知らせする運用になります。
一人ひとりに紙のコードを手渡し、それぞれのスマートフォンで受検してもらう場合は、この制限はかかりません。本人がその場で自分の結果を確認できます。共有端末として使うかどうかは、コードを発行する時点で指定します。

正確にお伝えしておくと、当サービスで受検コードによって不要になるのは「受検者がメールを開くこと」であって、「従業員名簿にメールアドレスを登録すること」ではありません。従業員の登録時には、テナント内で重複しないメールアドレスの入力が引き続き必要です。CSV取込やSmartHR連携でも、メールアドレスがない方は取り込まれません。
メールアドレスをお持ちでない方については、送信対象にならないダミーのアドレスを登録したうえで、受検コードで受検していただく運用になります。ここで実在しないドメインや自社ドメインの架空のアドレスを入れると、案内メールが不達(バウンス)となり、管理画面の不達一覧に並び続けます。
推奨するのは、社員番号などを使った example.com 宛のアドレスです。example.com はRFC 2606で文書用に予約されたドメインで実在せず、当サービスは宛先が example.com のメールを送信しません。ダミーであることが名簿を見ればすぐ分かる点でも扱いやすい形式です。
いいえ。制度は調査票の配布手段を限定していません。厚生労働省の実施手順でも紙の調査票やExcel版、マークシートが案内されており、紙で配って回収する形でも制度上問題ありません。
受検コードのような、メールアドレスとパスワードを使わないログイン手段があるサービスであれば可能です。当サービス(Zene)では実施回ごとに受検コードを発行し、印刷した用紙やQRコードを手渡す形で受検していただけます。
必須ではありませんし、慎重に判断してください。受検は本人の任意であり、私用アドレスの提出が実質的な受検条件になると、提出したくない方が受検しづらくなります。業務目的で私用の連絡先を収集・利用するには利用目的の特定と本人の同意も必要です。メールを使わない受検手段を用意するほうが無理がありません。
前の受検者の回答や結果が次の方に見えない仕組みであれば問題ありません。当サービスでは、共有タブレット専用として発行したコードは送信後30秒・無操作5分で自動ログアウトし、結果を一切表示しません。結果は実施者から本人にお知らせしていただく運用です。
登録時にはメールアドレスの入力が必要です。メールアドレスをお持ちでない方は、社員番号などを使った example.com 宛のダミーアドレスで登録し、受検コードで受検していただく運用になります。example.com は文書用に予約された実在しないドメインで、当サービスはこのドメイン宛のメールを送信しません。
発行画面からそのコードを失効させてください。失効させると、そのコードでログイン中の画面も同時に切断されます。そのうえで再発行し、あらためて本人に手渡してください。再発行すると古いコードは使えなくなります。
実施事務従事者が配布してください。受検コードはその人としてログインできる文字列であり、配布は調査票の配布と同じ実施事務にあたります。厚生労働省の実施マニュアルでは、受検者に対して直接の人事権を持つ者は実施事務従事者になれないとされています。
Zeneのストレスチェックサービスは、法令準拠の実施から集団分析、 職場環境改善提案まで一気通貫で支援しています。
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本記事は制度理解のための一般的な解説です。実務判断の際は、最新の 法令・通達・所轄労働基準監督署の案内をご確認ください。